2026.08

室内でも熱中症の危険あり!
かくれ脱水からいのちを守る新習慣

  • 水分補給
  • 熱中症
  • 脱水

年々、暑くなって熱中症リスクが高まっています。実は熱中症の多くが「室内」で起きているのはご存じですか。気づかないうちに進む「かくれ脱水」に要注意です。

全2回の1回目/
第2回もチェック

教えてくれたのは
谷口英喜 (たにぐち・ひでき)さん

神奈川県済生会横浜市東部病院・患者支援センター長。医学博士。臨床業務、臨床研究、大学院教育、講演活動を行うとともに、臨床栄養の生涯教育サイト谷口ゼミを開塾し、医療従事者の生涯教育や「飲水学」の普及に力を注いでいる。


熱中症一歩手前の「かくれ脱水」。
65歳以上は特に注意が必要です。

体重の2%以上の水分が失われると・・・

脳:めまい、立ちくらみ、集中力の低下、頭痛
消化器(胃腸):食欲低下、便秘、下痢、嘔吐
筋肉:筋肉痛、痺れ、まひ、こむら返り

実は熱中症は体の水分量が低下することによる脱水状態が原因のひとつ。体重の2%以上の水分が失われると脳・胃腸・筋肉の3つの臓器に脱水症状が現れます。 65歳を過ぎると子どもや成人と比較して、体の水分量を保持しにくくなり、気づかないうちに熱中症の一歩手前の「かくれ脱水」になっていることも。年齢を重ねるほどこまめな水分補給を心がける必要があります。

年齢を重ねると、「のどの渇き」に
気づきにくくなる!?

2025年の夏は、気象庁の記録史上もっとも暑い夏となりました。消防庁の発表でも、熱中症で救急搬送された人の数が記録開始の2008年以降、初めて10万人以上に。そして、その約6割が65歳以上の高齢者でした。

高齢者が熱中症になりやすい理由として、体の水分量を保持しにくくなっていること以外に、のどの渇きを脳に伝える神経の感度が加齢によって鈍ることも挙げられます。したがって、「のどが渇いてから水を飲む」のでは水分補給のタイミングが遅れてしまいます。そこで「薬のように時間を決めて水を飲む」ことが大切です。

65歳以上の水分不足、他にもこんな原因が

腎機能の低下

加齢により腎臓の尿細管機能が衰えると、尿の濃縮能力が低下します。すると、体は水分を保持できず、薄い尿を大量に排泄することになるので、水分不足になりやすくなります。

頻尿

加齢によって膀胱機能が低下 すると柔軟性が低下し、尿意が生じやすくなります。ただ、 そのために過度に水分を控えると水分不足につながります。

食事量の減少

高齢になると歯が弱ったり、飲み込みにくくなったりするほか、病気や薬の副作用などで食欲が減衰する傾向に。食事量が減ると、食事からの水分補給が減って水分不足になりがちです。

皮膚の感受性の低下

温度を感じる皮膚の受容器は 加齢によって衰えます。すると、暑さに気づきにくくな り、上がった体温を下げるための水分補給が不足しやすくなります。

次回は「かくれ脱水」にならないための、「正しい水分補給の仕方」を解説します。