毎日の元気のために守るべき 口の中の4つのチカラ
- 健康寿命
- 口の健康

「健康寿命を延ばすために」と、運動や食事に気を配る方は多いはず。しかし、盲点となりがちなのが「口の衰え」です。口の乾きや噛む力の低下を放置すると、全身の活力低下を招くこともあります。口の健康は、全身の元気を支える最前線です。意外と知られていない口と全身の健康の深い関係を紐解きます。
教えてくれたのは
松尾浩一郎 (まつお・こういちろう)さん
東京科学大学大学院、地域・福祉口腔機能管理学分野教授。歯学博士。専門は高齢者歯科学、摂食嚥下リハビリテーション。オーラルフレイル予防を目的とした「カムカム健康プログラム」活動にたずさわる。
口の衰えは、全身の衰えに直結します!
実は、口の健康は、健康寿命に深く関わっています。そのことをご存じない方は、意外と多いようです。
噛む力、舌の力が弱くなると、軟らかいものばかりの食事になって栄養が偏ります。また、滑舌が悪くなれば会話や外出の機会も減ることに。こうして心身ともに負のスパイラルに陥っていきます。
ところが、口の衰えは急激に進むわけではないため、気づきにくいという問題があります。
硬いものが食べにくくなった、お茶汁物でむせることがある、口の乾きが気になるなどのささいな兆候を見逃さず、早めにケアしましょう。それが、健康寿命を延ばすことにつながります。
衰えるとどうなる?口の中の4つのチカラをチェック
①免疫最前線の粘膜
衰えると⋯抗菌力が弱まり感染症リスクUP
口の中全体は粘膜で覆われており、病原体の体内侵入を防ぐ役割も。しかし、唾液が減って口の中が乾燥すると粘膜が傷ついて抗菌力が低下し、感染症リスクが高まります。

②「噛む」を支える骨
衰えると⋯やせ細りやすくしっかり噛めなくなる
食べ物を噛む歯は、歯しそう槽骨こつという骨に支えられています。歯周病で骨がやせ細ると、しっかり噛めなかったり、入れ歯などの義歯が合わなくなり、治療が難しくなることも。

③環境を守る抗酸化力
衰えると⋯口中の環境が悪化しやすくさまざまなトラブル要因に
口の中には、1,000億個以上の細菌が住んでいます。中には口臭や虫歯の原因となる細菌がいて、これを抑制する抗酸化力は加齢によって低下するため、口のトラブルのリスクが高まります。

④食事を楽しむ味覚
衰えると⋯センサーが弱りやすく食事が楽しめない
舌にある「 味蕾(みらい) 」という味覚センサーが弱ると、塩味や甘味などの味を感じにくくなります。食欲低下による低栄養や、濃い味を好むようになり、生活習慣病のリスクにも。

次回は、「何歳からでも効果あり!」の対策をご紹介します

